材料系 News

生駒研究室 ―研究室紹介 #3―

生体機能を修復するバイオセラミックス

  • RSS

2016.09.02

材料系では「金属」「有機材料」「無機材料」の3つの分野にフォーカスし、独創的かつ挑戦的な研究・開発を推進しています。

研究室紹介シリーズでは、ひとつの研究室にスポットを当てて研究テーマや研究成果を紹介。今回は、先端医療機器を実現する生体材料を開発している、生駒研究室です。

准教授 生駒俊之

無機材料分野
材料コース
研究室:大岡山キャンパス・南7号館816号室
准教授 生駒俊之

研究分野 ナノメディシン / バイオセンシング / 再生医療 / 無機材料
キーワード バイオセラミックス、細胞機能、表面・界面、セラノステック
Webサイト 生駒研究室別窓
生駒俊之 - 研究者詳細情報(STAR Search)別窓

ナノテクノロジーにより深化するバイオセラミックス

原子・分子が集合するナノの世界から、私たちの身体は構築され、維持されています。生命の最小単位の細胞にも観察されるナノ現象は、材料をナノメートルの大きさで制御すると、材料工学的に制御できます。研究室では、セラミックスを用いた医療機器(人工骨など)と医薬品とを組み合わせた“コンビネーション製品”や、治療(therapy)と診断(diagnostic)とを同時に可能とする“セラノステック”に役立つ生体材料を開発しています。これら二つの研究を柱に、次世代の医療技術をつくりだすことを目指しています。

生駒研究室

医療機器からコンビネーション製品へ

医療機器からコンビネーション製品へ

医療機器だけでは、生体機能を修復するに至らないことが少なからずあります。また、我々の身体は、異物を認識したり、外敵から身を守るために炎症を起こしたりします。このような反応を制御するためには、薬物と医療機器との特性を効率よく組み合わせる必要があります。例えば、抗菌作用のある化合物を人工骨と組み合わせると、炎症を起こしてもそれを鎮めることができます。また、細胞・材料・成長因子を三本の柱とする再生医療に必要とされる足場材料へとこれらの技術は応用できます。次世代の医療機器として、新しい機能を複合化させた生体材料を開発しています。

ナノメディシンからセラノステックへ

ナノメディシンからセラノステックへ

病気になると、身体にとって悪い細胞が増えることがあります。これらの悪い細胞が現れると、それを自動的に認識(診断)し、死滅させる治療法の研究が進んでます。例えば、悪性腫瘍の診断や治療に役立つ“セラノステックナノ粒子”を開発しています。また、これらの技術を応用すると、障害のある細胞を識別し、遺伝子的に治療するナノ粒子の創出につながることが期待されます。生物学の進歩とともに細胞の膜構造が解明され、これらの新しい知見を活かした粒子表面の修飾が可能となります。

医療に貢献する材料を目指して

医療の技術革新は、材料からも起きます。“使われてこそ材料”をモットーに、研究開発に取り組みます。生体と材料との界面を知り、制御できれば、その道は必ずや開けるはずです。当研究室では“自由闊達”に“見聞を広げる”様々な取り組みを行っています。例えば、専門家の集まる会議での発表や海外留学生の受け入れなどです。これらの研究活動を通じて、国際感覚の醸成や研究開発の方法論を卒業時までに学びます。

材料系の全研究室を紹介したパンフレットは広報誌ページでご覧いただけます。

お問い合わせ先

准教授 生駒俊之
E-mail : tikoma@ceram.titech.ac.jp
Tel : 03-5734-3960

※この内容は2016年4月発行の材料系 無機材料分野パンフレットPDFによります。最新の研究内容については各研究室にお問合せください。

  • RSS

ページのトップへ

CLOSE

※ 東工大の教育に関連するWebサイトの構成です。

CLOSE