地球惑星科学系 News
〜 関東地方の下深くで天然注水実験か?〜
東京工業大学 理学院 地球惑星科学系の中島淳一教授と東北大学 大学院理学研究科の内田直希准教授は、茨城県南西部のフィリピン海プレートの上部境界周辺で発生する地震の波形を解析することで、プレート境界で約1年周期の「スロースリップ(ゆっくりすべり)」が発生し、それに伴って水が浅部に排出されていることを明らかにしました。
本成果は、スロースリップによってプレート境界の水が移動することを示す初めての観測であり、プレート境界地震の発生予測の高度化に向けた極めて重要な成果です。これまでプレート境界地震の発生予測の際にはスロースリップによる応力変化の影響だけが評価されていましたが、本成果によって水の排出も考慮する必要があることが明らかになりました。
この研究成果は4月9日の英国科学誌「Nature Geoscience(ネイチャー・ジオサイエンス)オンライン版」に掲載されました。
詳しい研究紹介は、下記のプレスリリースをご参照ください。