未来

惑星形成で一つの確立したシナリオの構築が大きな目標

理学院 地球惑星科学系
地球惑星科学コース
修士課程2年(2019年度)

桑原 歩 さん

桑原 歩さん

研究テーマを教えてください。
惑星周りのガス流動場が惑星形成に及ぼす影響に関する研究をしています。
研究内容を教えてください。
生まれたばかりの星の周りには、ガスやダストで構成された原始惑星系円盤と呼ばれる構造が作られます。惑星は、そんな円盤の内部において、小さなダストが衝突合体を繰り返すことによって作られると考えられています。私は、惑星の周りにまだガスが残っているような、惑星形成過程の途中段階に着目し、惑星の周りを流れるガスが、惑星形成にどのような影響を及ぼすかを、流体力学的な手法を用いて研究しています。
その研究の楽しさ・魅力を教えてください。
私達が暮らす地球を始めとする惑星が、一体どのように作られたのか。そんな素朴な疑問にすら、現代の惑星科学は明確な答えを出せていません。無理難題とも思われるこの問題に、数値シミュレーションというアプローチで研究を行い、宇宙の何処かで今まさに起きているかもしれない出来事を、コンピュータ上で再現することは、自らの手のひらの中にもう一つの小さな宇宙を作り出すことに似ているのかもしれません。宇宙という果てしなく壮大な世界に、科学を武器に立ち向かう面白さは、この分野に携わっているからこそ味わえるものだと感じています。
その研究の先にある未来・あなたが抱く夢を教えてください。
現在の惑星形成理論では、様々な仮説に基づく詳細な研究が数多く行われている一方で、それぞれの研究結果が完全に合致しているわけではなく、形の合わないピースがバラバラに存在している状況に似ています。私の大きな夢は、私自身の研究を通じて、それぞれのピース同士を繋ぎ合わせ、惑星形成についての一つの確立したシナリオを構築することにあります。いつの日か、宇宙における大きな謎の一つが解決されることを心から望んでいます。

※記事の内容は取材当時のものです

ページのトップへ

CLOSE

※ 東工大の教育に関連するWebサイトの構成です。

CLOSE