未来

小惑星ベスタがいつどのように形成され、進化してきたのかを解明する

理学院 地球惑星科学系
地球惑星科学コース
博士後期課程1年(2016年度)

鏡味 沙耶 さん

鏡味 沙耶さん

研究テーマを教えてください。
「年代学を用いた初期太陽系における小惑星の進化の解明とそれに必要な分析手法の開発」です。
研究内容を教えてください。
火星と木星の間にある小惑星ベスタは、地球のように地殻・マントル・コアに分化しています。この小惑星がいつどのように形成され、進化してきたのか、隕石を用いて解明に取り組んでいます。地球と同じような構造を持つ(小)惑星の進化を理解することは、太陽系や地球の起源・進化を知る上で非常に重要です。小惑星ベスタから飛来してきた隕石(HED隕石)を化学分析し、元素濃度や同位体比を高精度で測定することによって、年代を求めることができます。分析手法や測定方法を開発し、高精度・高確度で分析できるようになって初めて違いが見えることも少なくありません。私は、実験手法の開発を自ら行い、様々なHED隕石の高精度な年代を求めています。得られた年代から小惑星ベスタの初期進化について制約を与え、小惑星でいつ何か起きていたのかを解明することに取り組んでいます。
その研究の楽しさ・魅力を教えてください。
小惑星ベスタという手に届かないところの、そして、それが形成された時(約45億年前)の情報を、隕石を用いて知ることができるという点に魅力があり、未解明の自然現象を明らかにしたいという気持ちがあります。また、最先端の実験手法の開発を自らの手で行い未知のデータを得ること、さらに従来よりも高精度・高確度のデータを得られるようになることで新しいことが見えるようになった時に楽しさを感じています。
その研究の先にある未来・あなたが抱く夢を教えてください。
自分の専門分野だけではなく、専門分野外の研究者とも深い関わりを持ち、幅広い知識を持っている研究者になり、隕石を用いた太陽系における研究を続けていたいと思っています。地球惑星科学は複雑な自然現象を対象とし、物理学・化学・生物学・地質学の全てが関連しているので、このような意識は重要であると思っています。地球惑星科学を多くの人に知ってもらいたい、女性研究者も増えてほしいという思いがあるので、アウトリーチ活動に積極的に参加したいと考えています。研究者から一般の方に研究内容を伝えるだけではなく、お互いのつながりを意識したコミュニケーションを大切にしていきたいです。

※記事の内容は取材当時のものです

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