未来

「感動」を与えるものづくりを目指して

ライオン株式会社
研究開発本部生命科学研究所
研究員

新堀 瑞穂 さん

新堀 瑞穂さん

現在の仕事について教えてください。
私の所属する生命科学研究所は、日常生活を豊かにする製品を生み出すために、ライフサイエンス技術を基盤として、種となる有効成分を見つけ出したり、その成分の作用メカニズムを調べる研究をしています。私は現在、バファリンの有効成分の鎮痛作用メカニズムの解明を担当しています。鎮痛効果があるという事実だけでなく、なぜ効くのかについて明らかにすることは、お客様に納得して使っていただくための情報提供、また今後、より効果的な種を見つけるヒントにもつながる重要な業務です。作用メカニズムを1つでも見つけることは簡単なことではありませんが、最新の情報から仮説を立て、立証できたときの達成感はなにものにも代えられません。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
生命科学研究所は、様々な部所の中で最も研究室生活に近いかもしれません。私の所属していた研究室では、論文紹介や研究進捗報告など、プレゼンテーションを行う場が頻繁に設けられており、また自身の発表以外であっても意見をすることが当たり前な環境でした。初めは、発言することさえも緊張していましたが、今ではどんな場でも臆することなく発言できることが私の強みとなっています。また企業では、並行して多くの業務を進めていかなければなりません。忙しい研究室生活を送った経験が、スケジュール管理能力の向上につながっていると思います。
今後の目標を教えてください。
お客様に「感動を与えられる製品」を生み出すことが、私の目標です。お客様がどんなことに悩み、どんな製品を望んでいるかを考えることはもちろんですが、お客様がまだ気づいていない不満を見つけ出し、それを解消できる製品を作りだすことこそ、感動が生まれるものづくりになると考えています。また、「生み出す」といっても、新しい製品を作るだけでなく、今ある製品の良さを新たに知っていただき、「こんな製品があったのか!」と思っていただくことも、目標を達成する1つの形であると考えています。現在の業務を通して、説得力のある実験データを取得し、お客様にわかりやすく伝えられる研究者になることが第一の目標です。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
社会人となった今振り返ってみると、東工大で学ぶことができ、本当に良かったと感じています。卒業後であっても気にかけてくださる先生方、どんなときも支えてくれる仲間に出会えたのは、この大学に在学し、夢中になることができたからだと思います。入学してからさまざまな経験をし、進みたい道を少しずつ選んでいける大学であるところもまた、魅力の1つであると思います。

にいぼり・みずほ(神奈川県出身)

2009年
東京工業大学 第7類 入学
2013年
東京工業大学 生命理工学部 生命工学科 卒業
2015年
東京工業大学 大学院生命理工学研究科 生体分子機能工学専攻 修士課程 修了
2015年
ライオン株式会社 入社

※記事の内容は取材当時のものです

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