未来

「食べて健康に」をかなえる機能性食品を

江崎グリコ株式会社
健康科学研究所

加藤 和子 さん

加藤 和子さん

現在の仕事について教えてください。
一言で言うならば、「機能性食品の開発」です。ただ「開発」と言っても、その段階は業務により様々です。食品の持つ機能性評価のための基礎研究を行う業務もあれば、実際にマーケティング部門と共同で製品発売に向けて企画を進める業務もあります。普段何気なく口にする「食」はなかなか科学と結びつきにくいかもしれませんが、実は「食」は栄養学・生物学・生化学…様々な科学の融合によるものです。お客様に安全で健康的な「食」を届けられるよう、実験と解析を繰り返す毎日ですが、その中で自分の基礎研究で発見された事実がきっかけとなって、企画が進み、実際に製品化される、というのはメーカーの研究員として大きな喜びです。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
最も活きていると感じるのは「自分で物事を動かしていく経験・力」です。仕事はチーム作業であり、周囲のサポートが欠かせませんが、少なくとも自分の業務に関しては「自分が前に動かしていく」という気概が必要です。そして気概だけではなく、先を見越したスケジューリング力や関係各所を巻き込む力、さらに問題が起きた時、周囲のアドバイスを仰ぎながら解決策を練っていく力が欠かせません。現在の私はまだまだ力不足ですが、それでも、周囲の方々に助けられながら自らの研究テーマに正面から取り組んだ大学・大学院生活、また定期公演成功のために日々学内外を走り回ったサークル活動、様々な経験が自分自身の糧になっていると感じています。
今後の目標を教えてください。
業務に直結する目標は、自分自身の発見した事実に基づいた機能性食品が世の中に出て、お客様の「食べて健康に」に貢献することです。さらに、現在食も医療も満足に受けられずにいる発展途上国の方々に対して、「食」という面から支援できるような仕事にもいつか携わりたいと考えています。一方で、一人の研究員としての目標は、専門性を持ったプロの研究員になる、ということです。職場には、様々なバックグラウンドを持った方々がいますが、皆「この分野に関してはこの人に聞けばいい」という専門分野を何かしら持っています。私も、一人の研究員として、自分の代名詞ともいえる専門分野を作るべく、日々精進していきたいと思います。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
私は現役時代、とある国立大学に合格しましたが、どうしても東工大第7類に入りたい一心で周囲の反対を押し切って、浪人し、入学しました。6年間過ごして、その選択は間違っていなかったと強く感じています。東工大での6年間は、尊敬できる先生方・友人に囲まれながら自分の人生を考えられる、最高に刺激的で充実した場であり時間でした。ぜひ最後まで妥協のない受験生活を送ってください!

かとう・かずこ(埼玉県出身)

2008年
東京工業大学 第7類 入学
2012年
東京工業大学 生命理工学部生命科学科 卒業
2014年
東京工業大学 大学院生命理工学研究科分子生命科学専攻 修士課程修了
2014年
江崎グリコ株式会社 入社

※記事の内容は取材当時のものです

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