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すずかけ台キャンパス S2棟 2階 会議室
たった一つの生命現象を発現させるためにも、細胞中では無数の分子が働いている。 しかも、これらの分子は単独ではなく、ネットワークを作り機能している。このような複雑系の実体を知るには、 その現場を正確に画像化することが肝要である。このような目標に対して、生体試料のための電子顕微鏡は、 目覚ましく発展している。例えば、細胞外であれば、結晶化せずに生体分子複合体の原子モデルが手に入るようになっている。 一方、分解能に弱点があった光学顕微鏡も分解能の改善が見られ、これまで見えなかった微細な細胞内構造が観測されてきている。 しかし、どちらの方法でも、細胞内部を分子レベルでイメージングすることはできない。 そこで我々は、凍結固定した試料からの蛍光観察するための反射型顕微鏡(クライオ反射型蛍光顕微鏡)を独自開発することで、 蛍光顕微鏡の解像度を分子レベルに引き上げることに成功した[1-3]。 講演では、東工大着任以来取り組んできたクライオ反射型蛍光顕微鏡の開発について述べた後、最新の実験結果について紹介する。
[1] S. Fujiyoshi et al.; Phys. Rev. Lett. 100, 168101 (2008).
[2] S. Fujiyoshi et al.; Phys. Rev. Lett. 106, 078101 (2011).
[3] T. Furubayashi et al.; J. Am. Chem. Soc. 139, 8990 (2017).
更新日:2018.06.26