システム制御系 News
佐藤進准教授(システム制御コース 主担当)らの論文が第74回自動車技術会賞論文賞を受賞しました。授賞式は2024年5月23日にパシフィコ横浜にて開催され、佐藤進准教授が出席して受賞盾を受け取りました。
本論文はガソリン車から排出されるアンモニアの解析に関するものです。ガソリン車で広く使用される三元触媒は、窒素酸化物、一酸化炭素、炭化水素を同時に浄化可能ですが、近年、三元触媒内で発生するアンモニアの排出が問題になっています。本論文は、三元触媒を搭載した直噴ガソリン車と2種類の車載型排出ガス計測システムを用いて実路走行試験を行い、実路走行におけるアンモニア排出挙動、および運転挙動の違いがアンモニア排出に及ぼす影響を論じています。冷間始動条件において、エンジン暖機完了前に一酸化炭素とアンモニアが時間差をもって排出され、そのアンモニア排出量が運転者の影響を受けずほぼ一定であること、暖機完了後のアンモニア排出量は運転者の加減速挙動の違いが支配的であることを明らかにしています。本論文は、今後低減が求められる実路走行条件におけるアンモニアの排出について、その排出要因と排出条件を明確にしています。なお本論文は、茨城大学と日本特殊陶業との共同研究の成果です。