システム制御系 News
長澤剛助教、小酒英範教授、佐藤進准教授(ともにシステム制御コース 主担当)らの論文が2021年度の日本機械学会賞(論文)を受賞しました。贈賞式は2022年4月21日に明治記念館にて開催され、長澤助教が出席して賞状とメダルを受け取りました。
本論文は乗用車向け超希薄燃焼ガソリンエンジンの熱効率向上技術に関するものです。高い熱効率が期待される超希薄燃焼ガソリンエンジンですが、より高い熱効率を得るには高負荷領域におけるノッキング抑制と冷却損失低減が欠かせません。本論文では、燃焼室内のピストン表面近くに水を噴射して低温水蒸気層を形成することにより、超希薄燃焼においても燃焼を悪化させることなくノッキング抑制と冷却損失低減を実現する手法(層状水蒸気遮熱燃焼)を提案しています。単気筒エンジンを用いて水噴射時期と噴射量の影響を詳細に調べ、提案技術の開発指針を明らかにするとともに、圧縮比17における超希薄燃焼条件に水噴射を適用することにより、乗用車用ガソリンエンジンとしては世界最高水準の図示熱効率52.6%を達成しました。さらに、石英ガラス製エンジンを用いた水噴霧の可視化と筒内複数個所の高精度熱流束計測により、ピストン表面付近における水噴霧層の形成とそれに伴う熱流束低減の様子を捉え、水蒸気成層化による遮熱機構を明らかにしました。なお、本論文は慶應義塾大学との共同研究の成果です。
(参考)本論文のプレスリリースが下記に掲載されています。