リベラルアーツ研究教育院について
リベラルアーツ研究教育院は21世紀社会の時代的課題を把握し、その中での自らの役割を認識する「社会性」、自らを深く探究する「人間性」、行動し、挑戦、実現する「創造性」を兼ね備え、より良き未来社会を築く「志」のある人材を育成します。
リベラルアーツ研究教育院では人文科学・社会科学・外国語・ウェルネス・教育学・日本語等の広範な文系分野の科目を揃えています。また社会の問題や人生の問題を「自分たちで考え、議論する」主体的学びのために、学部一年生から博士課程まで継続的・体系的にコア学修科目のカリキュラムが組まれています。
感染症や自然災害をはじめ、今日、この地球上に山積する問題に人類が立ち向かうために、自然科学の専門研究に求められる役割はますます重要になりますが、しかし一方、科学技術の力だけで、すべての問題を最終的に解決できるわけではありません。情報と技術が高度に発達した現代文明のなかでも未だ消えることのない格差と貧困、差別と虐待、さらには自然環境の破壊と戦争——これらは何よりも人間自身によって引き起こされる現象であり、であるとすれば、何よりも問われるのは私たち一人一人の「心」の在り方と、私たちが築き上げる「社会」の方向性にほかなりません。
いかに自然と共存しつつ地球の恵みを手にできるか、異なる言語や文化を背景とする人々とどうしたら理解しあえるか、モノや情報があふれた世界のその先にどのような未来がありうるか、そもそも人が幸せに生きるために何が必要か……みずから考え、人と意見を交わし、ときには古い書物を紐解いて、歴史の地層に堆積した人類の叡智と教訓を掘り起こしながら、必ずしも明確な答があるわけではないこれらの問いにも、しっかりと向き合ってほしい——そのような願いを胸に、リベラルアーツ研究教育院は東工大生が深い教養と豊かなコミュニケーション力を身につけられるよう、多彩な文系専門分野のスペシャリストの総力を結集して、全学の教育に取り組んでまいります。
リベラルアーツ研究教育院長
山崎 太郎