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化学系の 八島 正知 教授らのグループが次世代燃料電池を支える新しいセラミックスの秘密を解明

水を吸って酸素がスイスイ動く?

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2025.09.01

図1. セラミック材料(Ba₇Nb₄MoO₂₀)が水を吸い込むと、内部での酸化物イオン(O²–)の移動がより活発になることを発見。Copilot(AI)により生成し編集。 ©八島正知と東京科学大学

図1. セラミック材料(Ba₇Nb₄MoO₂₀)が水を吸い込むと、内部での酸化物イオン(O²–)の移動がより活発になることを発見。Copilot(AI)により生成し編集。 ©八島正知と東京科学大学

概要

東京科学大学 理学院 化学系の八島正知教授、作田祐一特任助教(現・熊本大学産業ナノマテリアル研究所助教)、巾崎潤子研究員らの研究グループは、九州大学 カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の松本広重教授ら、および英国インペリアル・カレッジ・ロンドン 材料学科のスキナー・スティーブン(SKINNER Stephen)教授らとの国際共同研究により、水蒸気を取り込むことで、内部の酸化物イオン(O2–)が動き易くなる―そんな新しい機能を持つセラミック材料のしくみを明らかにしました。

すなわち、水蒸気と反応(=水和)することで酸化物イオンが移動し易くなる現象を発見し(図1)、そのメカニズムを原子レベルで解明しました。この成果は、燃料電池や水蒸気電解セルなどの高効率化に貢献すると期待され、カーボンニュートラル社会の実現やSDGs(持続可能な開発目標)に資する重要な一歩といえます。

本研究成果は、材料化学の国際学術誌「Journal of Materials Chemistry A」に、2025年7月18日(ロンドン時間)電子版として掲載され、同誌において特に優れた科学的意義・革新性・注目度が高い論文HOT Papersに選定されました。詳しくはScience Tokyoニュースをご覧ください。

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