未来

感性と知性のバランスがビジネスを切り拓く

富士フイルムホールディングス株式会社
代表取締役社長 COO

中嶋 成博 さん

中嶋 成博さん

現在の仕事について教えてください。
ヘルスケア事業、感光材料事業、機能性材料事業、ドキュメント事業等の広範囲の事業をグローバルに展開する企業の経営に携わっています。世界の各市場の人々のニーズを的確に把握し、自分たちの持っている技術力を生かして新しい顧客価値を創造して社会に貢献できることには大いに遣り甲斐を感じます。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
大学・大学院時代には自分の専門分野の研究においては、先生・先輩の指導の下に、如何に現象を正しく観察し、そこにどんな原理・原則を見出すかの手法・考え方を身に付けたことが今に大きく活きています。また東工大では従来から理工系である中でLiberal Artsを重視する伝統があり、自然科学の目以外の観点からも「見る・考える」ことを習得する場があり、そこで身に付けた目・頭が実際の社会の中の実践では大いに役に立っています。
今後の目標を教えてください。
Big Data/IoTなどIT能力の急速な発展に伴い新しい社会・産業構造が構築されつつある中、多様化する顧客ニーズを的確に分析し、それに応える新しい価値を、自分たちが所有する知識・技術を活用して創出していく企業へ成長していくことが大きな目標です。高齢化に伴い増加する癌などの難病を克服するための診断技術・医薬品の開発、IT技術を駆使した高機能電子機器部品としての高機能材料の開発、環境・エネルギー・安全を確保・保全するための技術・素材の開発等、Quality of Lifeの向上に貢献することです。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
現在、自然科学の発展は著しく、それに伴う技術の変化・進歩も大きくスピードも速い。結果として、企業間・国家間での革新競争も厳しくなっています。そんな環境の中でも力を発揮できるよう、大学時代に大いに勉強して専門性を磨くと共に、自然科学がいかなる影響を世界に及ぼすのか、自然科学の力をどのように人類が利用するのかを考えられる「人間としてのバランスの取れた感性・知性」を自ら育てる努力をして欲しいです。

なかじま・しげひろ(広島県出身)

1967年
東京工業大学 第1類 入学
1971年
東京工業大学 理学部化学科 卒業
1973年
東京工業大学 大学院理工学研究科化学専攻 修士課程修了
1973年
富士写真フイルム株式会社 入社
2007年
欧州本社・富士フイルムヨーロッパ 社長
2012年
富士フイルムホールディングス株式会社 代表取締役社長 COO就任

※記事の内容は取材当時のものです

ページのトップへ

CLOSE

※ 東工大の教育に関連するWebサイトの構成です。

CLOSE