化学系 News

化学系の 安藤 吉勇 准教授らのグループがナフトサイクリノン類の化学合成に世界で初めて成功

異なる構造の天然物にも展開可能な独創的合成法

  • RSS

2025.01.14

ピラノナフトキノンAとBが二つの結合を介して二量化

ピラノナフトキノンAとBが二つの結合を介して二量化

概要

東京科学大学(Science Tokyo)理学院 化学系の安藤吉勇准教授、星野大樹大学院生(研究当時)、大森建教授、鈴木啓介栄誉教授(同 総合研究院 基礎研究機構 特命教授)らの研究チームは、天然由来の有機化合物ナフトサイクリノン類の世界初の全合成に成功しました。 ナフトサイクリノン類は、1974年にドイツの研究者A. Zeeckらによって放線菌から単離された天然物で、ピラノナフトキノンが2つの化学結合を介して二量化した特徴的な橋架け構造を有しています。しかし、構造決定から半世紀近くが経っても、その構造の複雑さから化学合成は未到のままでした。 本研究では、合成化学的な難問である、不斉炭素を含む橋架け構造の立体選択的な構築法を独自に開発することによって、β-ナフトサイクリノンとγ-ナフトサイクリノンという2種類のナフトサイクリノン類の全合成を達成しました。本成果は、他のナフトサイクリノン類の合成に応用できるだけでなく、今後、異なる様式の橋架け構造を持つ天然物の合成への展開も期待できます。
本成果は、11月12日付(現地時間)の「Angewandte Chemie International Edition」誌に掲載されました。詳しくはScience Tokyoニュースをご覧ください。

  • RSS

ページのトップへ

CLOSE

※ 東工大の教育に関連するWebサイトの構成です。

CLOSE