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化学系の 谷口耕治 教授らのグループが塗るだけで高効率スピン偏極電流を発生させる新しいキラル半導体高分子を開発

クリーンエネルギー技術にもつながる新たな可能性を開拓

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2024.11.08

開発したキラル高分子poly-(S,S)-ITD, poly-(R,R)-IDTの構造とCISS効果によりスピン偏極電流を発生させるスピンフィルター効果。

開発したキラル高分子poly-(S,S)-ITD, poly-(R,R)-IDTの構造とCISS効果によりスピン偏極電流を発生させるスピンフィルター効果。

概要

東京科学大学 理学院 化学系 谷口耕治 教授、大阪大学大学院工学研究科の大学院生のLi Shuangさん(博士後期課程)、石割文崇 講師、佐伯昭紀 教授らの研究グループは、キラルな半導体高分子[poly-(S,S)-ITDおよびpoly-(R,R)-IDT]を開発し、CISS効果により電流中の電子のスピンの向きを70%程度の効率(スピン偏極率)で同方向にそろえたスピン偏極電流を発生させる、スピンフィルターとしての性質を持つことを見出しました。この約70%というスピン偏極率は、キラルな半導体高分子の中では最高クラスの値です。このキラル半導体高分子は溶液を塗るだけで成膜できるため、さまざまな材料にスピンフィルターとしての性能を持たせてスピン偏極電流を発生させることができます。そのため、スピン偏極電流が有効とされる用途、例えば、酸素発生や酸素還元などのクリーンエネルギー技術につながる用途を高効率化できる他にも、次世代3Dディスプレイの発光素子として期待される円偏光を発生させる円偏光有機発光ダイオードの開発などでの活用が見込まれます。
本研究成果は、英国科学誌「Chemical Communications」に、8月23日に公開されました。詳しくはScience Tokyoニュースをご覧ください。

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