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希薄な二酸化炭素を捕捉して資源化できる新触媒の発見

低濃度二酸化炭素の直接利用に道

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2018.12.13

東京工業大学 理学院 化学系の熊谷啓特任助教、西川哲矢大学院生(当時)、石谷治教授らは、二酸化炭素(CO2)を捕集する機能を持つレニウム(Re)の錯体が、低濃度のCO2を還元することができる電気化学触媒[用語1]として機能することを発見した。

石谷教授らの研究チームは、ある種のレニウム錯体が、高いCO2捕集機能と、CO2を電気化学的に還元する触媒機能を合わせ持っていることを見出した。今回、このレニウム錯体を触媒として用い、低濃度CO2をそのまま還元できる電気化学的システムの開発を目指した。その結果、1%しかCO2を含まないガスでもCO2を効率よく還元でき、一酸化炭素(CO)を高い効率と選択性で生成することができた。COは化学原料として有用で、水素と反応させることで人造石油を合成することができる。今回の発見により、火力発電所や製鉄所から排出される低濃度のCO2を含んだ排ガスを、効率的に直接資源化できる可能性が出てきた。

研究成果は2018年11月12日(英国時間)、英国王立化学会誌「Chemical Science」オンライン版に掲載された。

用語説明

[用語1] 電気化学触媒 : 電極から電子の授受を行うことで反応を駆動する触媒のこと。

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