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振り子や弦から、固体、分子、流体に至るまで、物体の振動は物質やスケールを問わず自然界に遍在する普遍的な自由度である。一見単純な調和振動子として記述される一方、現実には揺らぎや散逸を伴う開放系であり、その非線形性は同期やカオスなど多彩なダイナミクスを生み出す。さらに近年では、巨視的な振動の量子的性質も研究対象となっている。それでは、あらゆる振動体を、その量子性が顕在化する極限まで計測・制御できるのだろうか――その極限に迫るほどに顕在化する微小な揺らぎや散逸、非線形性、さらには他の自由度との相互作用こそが、従来の調和振動子像を超えた新たな物理を切り拓く鍵になると期待される。
この問いに迫る実験基盤として、我々は共振器オプトメカニクスに着目している。これまで、光ファイバ上の微小光共振器を基盤に、古典流体中での微小振動計測[1]、多数の振動子からなるオプトメカニカルアレイ[2]、光による振動子間相互作用と非線形ダイナミクスの制御[3]へと研究を展開してきた。本講演ではこれらを概説するとともに、揺らぎと散逸のもとで創発する非線形・非平衡現象、さらにマグノメカニクスや超流動体など新たな振動自由度への展開について紹介する。
更新日:2026.09.01