LHC-FASERにおけるニュートリノ測定と新物理探索の最初の物理結果
- 日程
- 2024年5月15日(水)
- 時間
- 14:00-
- 場所
- 大岡山キャンパス 本館地下 B61 物理学系輪講室
- 講師
- 早川 大樹 氏(千葉大学 大学院 理学研究科)
- お問い合わせ先
- 連絡教員:物理学系 陣内 修(内線2081)
量子物理学・ナノサイエンス第389回セミナー
概要
FASERは衝突型加速器Large Hadron Collider (LHC)前方領域においてTeVニュートリノの測定と新粒子探索を目的としている。ATLAS衝突点から480 m離れたビーム軸上に検出器を設置し、2022年からのLHC Run3でデータ取得を行っている。これまでに、Run3初期のデータを用いて衝突型加速器由来のニュートリノを初めて観測した [1]。さらに、エマルジョン検出器を用いてLHCにおける電子ニュートリノとミューニュートリノの反応断面積を初めて測定した [2]。また、軽い暗黒物質モデルの有力候補となる暗黒光子[3]とアクシオン様粒子 (ALPs)[4] の探索を行った。本セミナーではこれらの最初の物理結果について報告する。さらに、高輝度LHCに向けた将来計画FPFについて紹介する。
- [1] FASER Collaboration, Phys. Rev. Lett. 131, 031801 (2023)
- [2] FASER Collaboration, arXiv:2403.12520
- [3] FASER Collaboration, Phys. Lett. B 848, 138378 (2024)
- [4] FASER collaboration, CERN-FASER-CONF-2024-001
- 東京工業大学理学院・物理学系 ナノサイエンスを拓く量子物理学拠点 共催