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縮退したエネルギー準位を持つ励起状態の水素様原子と荷電粒子間には、遠方で距離の二乗に反比例する引力のポテンシャルエネルギーが生じ、多数の準安定状態を形成する。例えば、H 2 + 分子はH(n = 2) + H + 解離しきい値直下に無数の準位を持つ。これらの状態はFeshbach共鳴状態であり、有限の寿命でH(n = 1) + H + へ解離する。このような共鳴準位の系列は単電荷クーロン三体系の様々な系に普遍的に見られ、共鳴準位の出現間隔は系を構成する粒子の質量や角運動量に依存して決まる。本講演では、陽電子やミュオンを含むエキゾチック原子の共鳴状態について、著者らの少数多体計算と最近の実験研究を交えて紹介する。
更新日:2024.03.04