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多数決による非線形性が生み出す複雑なグローバル社会の支配構造

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日程
2022年7月12日(火)
時間
17:00-18:00
場所
大岡山キャンパス別窓 本館地下 B61 物理学系輪講室
講師
水野 貴之 氏(国立情報学研究所)
お問い合わせ先
連絡教員:物理学系 笹本 智弘(内線2736)

量子物理学・ナノサイエンス第82回特別セミナー

概要

多数決は多数派が総取りとなる非線形なシステムである。1954年にShapleyとShubikは、異なる票数を持つN人の投票者が、ランダムに賛成と反対を投じる状況を想定して、それぞれが多数派を構成するためのキャスティングボードを握る確率に注目した。この確率はPower Indexと呼ばれ、各投票者が採決に与える潜在的な影響力を表す。ある企業の株主総会では、その企業の株主たちが投票をおこなう。そして、これらの株主(親会社)たちもまた、自身の株主らによって投票がおこなわれる。つまり、投票が多重構造になっているのだ。本セミナーでは、Shapley-Shubik Power Indexを、多重構造を持つネットワークに拡張したNetwork Power Index (NPI)を提案する。そして、1億社×4億株主で構成されるグローバル株所有ネットワークにおいて、中国政府が年々NPIを増大させ、現在、世界一の株主であることを示す。また、NPIを用いながら、外国政府による多面的な企業支配の特徴と支配経路を明らかにする。香港企業に対する米中の株主による競争が、香港企業に対する日本の株主のNPIに与える影響をシミュレートする。これらの研究成果をインタラクティブに可視化するNPI VISUALIZATIONを紹介する。

  • 東京工業大学理学院・物理学系 ナノサイエンスを拓く量子物理学拠点 共催

更新日:2022.07.06

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