- 日程
- 2022年6月1日(水)
- 時間
- 14:00-
- 場所
- 大岡山キャンパス 本館1階 164 物理学系輪講室
- 講師
- 田屋 英俊 氏(理化学研究所)
- お問い合わせ先
- 連絡教員:物理学系 西田 祐介(内線3614)
量子物理学・ナノサイエンス第337回セミナー
概要
真空に強い外場を印加すると、真空は粒子対を生成して壊れることが知られている(例えば、強い電場によるSchwinger機構)。この真空からの粒子生成の定式化に完全WKB法と呼ばれる数学的手法を応用した、という話をする[1]。具体的には、粒子生成が、微分方程式の漸近解のStokes現象として数学的に理解できることに注目し、完全WKB法の処方に基づいて、(1)Stokes図の構造を一般的に同定し、(2)半古典近似の範囲内でStokes係数を求め、(3)そのStokes係数から、任意の時間依存性を持つような外場のもとでの粒子生成数の公式を求める。時間があれば、固体での高次高調波発生に応用した話もする[2]。
- [1] Hidetoshi Taya, Toshiaki Fujimori, Tatsuhiro Misumi, Muneto Nitta, Norisuke Sakai, "Exact WKB analysis of the vacuum pair production by time-dependent electric fields," J. High Energ. Phys. 2021, 82 (2021) [arXiv:2010.16080]
- [2] Hidetoshi Taya, Masaru Hongo, Tatsuhiko N. Ikeda, "Analytical WKB theory for high-harmonic generation and its application to massive Dirac electrons," Phys. Rev. B 104, L140305 (2021) [arXiv:2105.12446]
- 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター 主催
- 東京工業大学理学院・物理学系 共催