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量子ホール系における新規量子デバイスの開発

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日程
2022年5月24日(火)
時間
15:00-16:00
場所
Zoom*による開催(URL は下記をご確認ください。)
講師
秦 徳郎 氏(東京工業大学 理学院 物理学系)
お問い合わせ先
連絡教員:物理学系 藤澤 利正(内線2750)

量子物理学・ナノサイエンス第334回セミナー

概要

二次元電子系に強磁場を印可すると、バルク部分は絶縁化され、試料端にはエッジ状態が生じる。この現象は量子ホール効果と呼ばれ、バルク部分にはエニオンなどの特異な準粒子が出現し、また、エッジ状態にはカイラルな一次元伝導が現れる。近年これらの物性を活用した量子デバイスの開発が活発に行われている。

本セミナーでは、量子ホール系における新規量子デバイスとして(1)二重量子アンチドット(2)量子ドット熱機関に関する自身の研究を紹介する。

量子アンチドットは、量子ホール系における準粒子を操作するのに適した系である。二つの量子アンチドットが結合した二重量子アンチドットでは、干渉効果とクーロン相互作用の競合などが期待されるが、その研究例は極めて少ない。これは、トンネル結合の調整が困難であることが1つの要因と考えられる。本研究では、二重量子アンチドット間のトンネル結合を広範囲に制御する手法を提案し、実験的に実証した。

二つ目の内容として量子ドット熱電機関の研究を紹介する。離散的なエネルギー準位を示す量子ドットを用いた熱電機関は単体としては理想的な熱効率を示す。しかし、量子ドットが微小との理由のため、熱源からの熱収集効率が非常に小さいという課題が先行研究ではあった。本研究では、カイラルな一次元熱伝導と量子化熱伝導度を示す量子ホールエッジチャネルを用いて、熱源からの熱を効率的に量子ドットに注入する熱電集積回路を実現し、その特性を評価した。

本 ZOOM セミナーに参加されます場合には、事前に下記より登録を済ませてください。 https://zoom.us/meeting/register/tJwud-uhpz0uGt36FPKMaMDYdNwO841GkVxX

ご来聴を歓迎いたします。

  • 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター 主催
  • 東京工業大学理学院・物理学系 共催

更新日:2022.05.11

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