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Caインターカレートが創発するグラフェン2次元超伝導

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日程
2022年2月22日(火)
時間
11:00-
場所
Zoom*による開催(URL は下記をご確認ください。)
講師
遠山 晴子 氏(東京大学 大学院理学系研究科)
お問い合わせ先
連絡教員:物理学系 平原 徹(内線2365)

量子物理学・ナノサイエンス第332回セミナー

概要

2層以上重なったグラフェンの層間に金属原子がインターカレート(IC)されると物性が劇的に変わることが知られており、特にSiC基板上の2層グラフェンではCaのICによる超伝導転移が報告された[1]。しかし、CaのICによるSiC基板との界面まで含めての構造の変化や、超伝導に関与するバンドなどの詳細は未解明であった。本研究[2]では従来よりもさらに薄いSiC上「単層」グラフェン(図1 (a))においてもCaのICで超伝導が発現することを発見した。これはICの過程で単層グラフェンがフリースタンディングの2層へと変化し、さらにグラフェン層間へCaが挿入されることで実現することが分かった(図1 (b))。そして、従来interlayer bandだけが超伝導に関与すると考えられていたが、Diracバンド(πバンド)も不可欠な役割を果たすことを明らかにした。講演ではグラフェンのインターカレート誘起超伝導の全体像を紹介する。

図1. (a) SiC基板上の単層グラフェンの構造模式図。基板とグラフェン層の間にはバッファー層と呼ばれる炭素原子層がある。(b) 超伝導Caインターカレートグラフェンの構造模式図

  • [1] S. Ichinokura et al., ACS Nano 10, 2761-2765 (2016).
  • [2]H. Toyama et al., arXiv: 2111.13012 (2021).

本 ZOOM セミナーに参加されます場合には、事前に下記より登録を済ませてください。 https://us06web.zoom.us/meeting/register/tZwtcOmgqj8vE9x3Ti48d67K-TcP34P7OQzM

ご来聴を歓迎いたします。

  • 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター 主催
  • 東京工業大学理学院・物理学系 共催

更新日:2022.01.25

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