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2015年9月、ブラックホールの合体から放たれた重力波が初めて直接検出され、「重力波天文学」が幕を開けました。2017年8月には中性子星の合体からの重力波(GW170817)も検出され、重力波天体の電磁波による同定も実現しました。中性子星の合体は、宇宙における金やプラチナ、またランタノイド元素などを合成し、放射性崩壊エネルギーにより可視光・赤外線を放射することが予想されてきました。GW170817に付随して観測された電磁波放射の性質はその予想に一致しており、中性子星合体で重元素が合成された証拠が得られたと言えます。本講演では、中性子星合体の重力波・電磁波のマルチメッセンジャー観測から得られた宇宙における重元素の起源に関する知見を紹介します。
更新日:2020.11.27