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原子や原子核中の陽子・中性子といったミクロな粒子を記述するシュレディンガー方程式を正確に解くことは一般に困難だが、少数粒子系では厳密に解くことができる。そのような量子少数系の挙動を探る研究が冷却原子や原子核分野において進展している。興味深いことに、これら一見全く異なる物理系で現れる量子少数現象が、粒子間相互作用が非常に強い領域においては、普遍的な挙動を示し同じ理論で記述することが可能である。本セミナーでは、まず量子少数系のユニバーサリティの概念、特にその典型例であるEfimov状態と呼ばれる3粒子束縛状態を解説する。そして冷却原子で近年観測されたEfimov状態と、原子核における中性子過剰核の関係を議論する。またこれら量子少数問題研究は、量子多体媒質中における2体、3体、4体相関を正確に理解することにもつながる。このような量子多体問題に量子少数系の知見を応用する研究も併せて紹介する。
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更新日:2020.11.24