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系のミクロな情報が得られる場合、その代償としてハイゼンベルグの不確定性関係に起因する測定の反作用がダイナミクスに本質的な影響を及ぼす。近年、量子気体系において量子多体ダイナミクスを1原子レベルでミクロに観測/制御する事が実現した。ミクロな運動の詳細は観測/制御できないという仮定のもとに成立してきた従来の多体系の枠組みは、このような状況では破綻し、異なる一般原理に基づいた基礎理論が必要となる。特に、測定の反作用が存在する場合には系のダイナミクスは非ユニタリとなり、従来のエルミートハミルトニアンに基づく記述は破綻する。本講演では、このように外部環境からの影響が重要となる「非平衡開放系」の量子多体物理について発表する。量子多体系の顕著で重要な性質として量子臨界性、非平衡ダイナミクス、そして熱化現象が挙げられる。本講演ではこれらの基礎的側面に着目し、ミクロな自由度の測定の反作用に伴い、それぞれどのような修正を受けるかを非エルミート物理や非ユニタリ場の理論などと関連させつつ説明する。
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更新日:2020.09.23