非平衡開放系における 南部・ゴールドストーンモードの 有効ラグランジアン
- 日程
- 2019年5月10日(金)
- 時間
- 14:00-15:30
- 場所
- 大岡山キャンパス 本館2階 284B 物理学系輪講室
- 講師
- 本郷 優氏(慶應義塾大学)
- お問い合わせ先
- 連絡教員:物理学系 西田祐介(内線3614)
量子物理学・ナノサイエンス第257回セミナー
概要
ラグランジアン(あるいはハミルトニアン)が持つ大域的な連続対称性が,系の基底状態において自発的に破れたとき,その系の低エネルギーダイナミクスはギャップレスの南部・ゴールドストーン(NG)モードによって支配される.対称性の自発的破れとNGモードの概念は高エネルギー物理学から凝縮系物理学まで広範な物理分野における研究に大きな影響を与えてきたが,これまでの研究は主に基底状態などの平衡状態に限られていた.しかし近年になって,量子系の実時間発展を記述するSchwinger-Keldysh形式の場の理論に基づいて,対称性の自発的破れとNGモードの概念が非平衡開放系に対しても適用できることがわかってきた[1,2].本講演では,非平衡開放系において自発的対称性の破れが生じたときを考え,その際に現れるNGモードの低エネルギー有効理論の構築と応用に関する最近の研究について紹介する[3,4].
- [1] Y. Minami, Y. Hidaka, Phys. Rev. E 97 (2018) no.1, 012130
- [2] L. M. Sieberer, M. Buchhold, S. Diehl, Rept. Prog. Phys. 79 (2016) no.9, 096001
- [3] M. Hongo, S. Kim, T. Noumi, A. Ota, J. High Energ. Phys. Vol. 2019 issue 2 (2019) 131
- [4] M. Hongo, S. Kim, T. Noumi, A. Ota, in preparation
- 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター 主催
- 東京工業大学理学院・物理学系 共催