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量子多体系では相互作用や量子相関の結果、非一様な秩序をもった相が生じ得る。例えば、超伝導系では秩序変数が位相変調を持ったFulde-Ferrell相や振幅の変調を持ったLarkin-Ovchinnikov相などが古くから知られている。また、近年、有限区間での量子多体系において、一様相が禁止される場合があることが指摘されている。
本講演では超伝導系を記述するモデル(BCSモデル)と磁性現象を記述するモデル(非線形シグマモデル)間の対応と超伝導系・磁性系における非一様相について説明する。さらに、有限区間(2枚のプレートで挟まれた空間)で量子系を考えた場合、プレート間に真空のゆらぎによる力(Casimir力)が生じるが、この現象における量子多体効果の影響についても説明する。
更新日:2019.04.08