トポロジカル絶縁体のスピン偏極電子状態と 超高速キャリアダイナミクス
- 日程
- 2018年4月13日(金)
- 時間
- 16:00-17:00
- 場所
- 大岡山キャンパス 本館1階 H156 物理学系輪講室
- 講師
- 角田 一樹 氏(広島大学 大学院理学研究科)
- お問い合わせ先
- 連絡教員:物理学系 平原 徹(内線2365)
量子物理学・ナノサイエンス第224回セミナー
概要
トポロジカル絶縁体は、結晶内部は絶縁体だが、その端(表面・界面)では時間反転対称性によって守られた金属的なスピン偏極表面状態が存在している。この表面状態はゼロギャップ円錐状バンド分散、ヘリカルスピン構造、高移動度、完全後方散乱の禁止などの魅力的な性質を持ち合わせており、スピンや光学特性を利用した新しいデバイス技術への応用展開が期待されている。このようなトポロジカル絶縁体の特異な性質を理解する際には、角度分解光電子分光(Angle-resolved photoemission spectroscopy : ARPES)が非常に強力な手法となり得る。
本講演では、スピン分解ARPES、時間分解ARPESおよび磁気円二色性分光によって明らかにした最新の研究成果を紹介したい。
- ・鉛系トポロジカル絶縁体に見られる外界から保護されたスピン流[1]
- ・p型トポロジカル絶縁体の超高速キャリアダイナミクスと光機能の創出[2,3]
- ・磁性トポロジカル絶縁体のキャリア誘起強磁性と不純物効果[4]
- [1] K. Sumida et al., submitted.
- [2] K. Sumida et al., Sci. Rep. 7, 14080 (2017).
- [3] S. Zhu, K. Sumida et al., Sci. Rep. 5, 13213 (2015).
- [4] M. Ye, K. Sumida et al., Nat. Commun. 6, 8913 (2015).
- 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター 主催
- 東京工業大学理学院・物理学系、「ナノサイエンスを拓く量子物理学拠点」共催