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近年、強い引力相互作用を有する2成分フェルミ原子気体の基底状態における熱力学量の精密測定が可能となった。これらの観測結果は、中性子星内部の核物質の状態方程式や中性子超流動体と深い関わりを持つことが期待され、物性物理学のみならず幅広い分野から注目を集めている。本研究では、T行列近似をベースとした強結合理論を用いてユニタリー極限近傍の熱力学量を解析、フィッティングパラメータを用いずに実験結果を定量的に記述することに成功した。本講演では、さらに化学ポテンシャルや内部エネルギーといった熱力学量に対する強結合補正について議論するとともに、その発展として中性子星研究への応用についても紹介する。
更新日:2017.11.29