情報工学系 News
感情・勢い・誇張の度合いを中間データなしでコントロール

Motion Style Sliderの概要:入力となる通常の動作とスタイル付き動作を基に、スライダー値αを変えることで、スタイルの強さを連続的に制御して動作を生成する。
東京科学大学(Science Tokyo)情報理工学院 情報工学系のリャオ・チェンチェー(廖振傑)特任助教と小池英樹教授、株式会社Cygamesの研究チームは、3Dキャラクターアニメーションなどで用いる人間動作生成AIにおいて、動きのスタイルの強さを連続的に制御する技術「Motion Style Slider」を開発しました。
ゲームや映像の製作では、「もう少し楽しそうに」「少し抑えた表現に」「さらに大げさに」といった演出上の指示に合わせ、キャラクターの動きの印象を細かく調整する必要があります。しかし、従来のアニメーション生成技術では、喜びや怒りなどを固定的なカテゴリとして扱うことが多く、表現の強さを連続的かつ安定して操作・変更することは容易ではありませんでした。また、弱い・中程度・強いといった各段階の動作データを多数集めて学習させることは、モーションキャプチャ [用語1]収録の負担が大きく、実用上の課題がありました。
本研究では、通常の動作と、同じ内容にスタイルを付加した動作という2つの端点データから、動きのスタイルが変化する方向を学習します。生成時にはスライダーに数値を指定することで、ニュートラルな動作からスタイルを付加した動作へ、さらに強調した表現までを段階的に生成できます。複数のモーションデータセットによる評価では、既存手法と比べ、スタイル強度の一貫した制御、滑らかな変化、および強い表現への外挿において良好な結果を示しました。
本研究成果は、コンピュータ・ビジョン分野の国際会議「European Conference on Computer Vision 2026(ECCV 2026)」で発表されます。同会議は2026年9月8日から12日(現地時間)に、スウェーデン・Malmöで開催される予定です。
用語説明
[用語1] モーションキャプチャ:人の身体に装着したセンサーやカメラなどを使って、身体の動きをデジタルデータとして記録する技術
詳しくは、下記 Science Tokyo ニュースをご覧ください。