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化学系の原島崇徳大学院生(研究当時)、西野智昭准教授らのグループがタンパク質の翻訳後修飾を単分子検出する手法を開発

がんに対する次世代医療への応用に期待

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2022.10.03

タンパク質リン酸化の単分子検出の原理模式図。

タンパク質リン酸化の単分子検出の原理模式図。

概要

東京工業大学 理学院 化学系の原島崇徳大学院生(研究当時)、西野智昭准教授、北海道大学の江上喜幸助教と神戸大学の小野倫也教授らの研究チームは、簡便な電気計測によってタンパク質1分子のリン酸化を検出できる手法を開発した。

生体分子の単分子検出は、生体試料の分析の高速化および低コスト化につながることから、新たな医療診断技術の開発において重要である。例えばDNAの単分子検出法が開発されたことによって個別化医療が実現されつつある。一方、タンパク質の単分子検出法の開発はDNAに比べて進んでいなかった。また、タンパク質の機能調節を担う翻訳後修飾に対する単分子検出は、生命現象の詳細な理解と疾病発症機構の解明のために、その開発が強く望まれていた。

そこで本研究では、代表的な翻訳後修飾である「リン酸化の単分子検出法」を開発した。検出は、1 nm以下の間隙を隔てて対向した電極対を用いた電流計測に基づいており、簡便で迅速な測定が可能である。リン酸化は、がんの増殖や抗がん剤の感受性に深く関与していることから、今回開発した手法を利用してリン酸化を検出し解析することによって、それぞれのがん患者個人に合わせた最適ながん治療の実現が期待される。

本研究成果は、9月14日付の「Journal of the American Chemical Society」にオンライン掲載され、Supplementary Coverに選出された。詳しくは東工大ニュースをご覧ください。

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