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AIやロボットアームなどに代表される先端技術の急速な発展による影響は多くの分野へと波及しつつあり、材料科学にも新たな視点と研究開発手法をもたらしている。私はこれまでに、材料特性の実験データと計算データを機械学習によって統合し、物性と構造の類似度を同時に反映する材料マップを開発してきた[1]。さらに、ロボットアーム、電動ピペット、3Dプリンタを用いた自動実験システムを構築し、金属有機構造体(MOF)などのナノ材料合成の自動化を推進している。これらの自動実験を通じて得られる再現性の高い信頼性のある材料データベースは、今後のデータ駆動型材料開発の基盤となる。加えて、生成AIを活用したマルチエージェントシステムにより、自動かつ自律的なデータ分析手法の開発も進めている。本セミナーでは、これらの新技術を統合することで実現されつつある、材料研究開発の新しい枠組みについて紹介する。
更新日:2025.10.17