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原子核は孤立系であるため回転対称性を持ちますが、それにもかかわらず、多くの原子核の内部構造は回転対称性を破り、様々な形状を持っています(自発的対称性の破れ)。原子核の形状は、原子核内部の陽子と中性子の配位、フェルミ面の構造に関連しており、質量や電気的・磁気的性質などの原子核の基本的な量に関わるため、多くの研究がなされています。
一方で、原子核の形状を直接測定することは容易ではなく、電気的モーメント等の間接的な物理量を用いて議論されています。そこで、我々は電気的遷移密度の実験データを用い、最小限の理論的仮定に基づいて原子核の形状を再構築する方法を提案しています。セミナーでは、この方法を用いて実際の実験データから推定した炭素-12原子核の形状や、理論計算結果を用いた不安定核の形状について紹介するとともに、将来の展望について議論します。
更新日:2023.10.25