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21 世紀初頭に単層グラフェンがスコッチテープ法で作成出来ると分かってから、薄膜系の物理が盛んに調べられている。特にここ数年では薄膜積層系を効率的に作成出来るようになり、薄膜多積層系の物理に注目が集まっている。一方で、薄膜積層系では周期性が壊れる事が多いために理論的なアプローチは困難である。
準周期系でのエネルギー構造を議論する際の便利な定理の 1 つとして Gap labelling 定理 (GLT) が存在する。周期系で周期性から Bragg 線上でエネルギーギャップが開く事と同様の現象としてFibonacci 格子やPenrose 格子などの準結晶系でも系のフラクタル性からエネルギ ーギャップが開く。これらのエネルギーギャップとIntegrated density of states (IDoS) の関係を整数係数で表した物がGLT である。
一方で準周期系の一部である薄膜積層系に対してGLTが導かれたのは近年になってからであり、薄膜の中の1 層に対しての表式であった。そこで私たちはGLT を薄膜積層系全体に対して導き必要な整数係数の数の層数や次元に対する変化を調べた [1]。
本セミナーでは以上の結果について具体的な導出とともに紹介する。
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更新日:2022.11.22