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連星中性子星合体 GW170817 からの重力波の観測の意義

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日程
2018年11月13日(火)
時間
15:05-
場所
大岡山キャンパス別窓 本館2階 284A 物理学系輪講室
講師
関口 雄一郎 准教授(東邦大学 理学部)
お問い合わせ先
連絡教員:物理学系 河合 誠之(内線2390)

量子物理学・ナノサイエンス第243回セミナー

概要

“We did it ! ” 米国の重力波観測装置 Advanced LIGO の研究チームによって、2015年9月14日に地球に到来した「連星ブラックホール合体」からの重力波が検出され、GW150914と命名されました。一般相対性理論の提唱からおよそ100年、アインシュタインからの宿題がついに解かれた瞬間でした。GW150914からおよそ2年後には、「連星中性子星合体(GW170817)」からの重力波がとらえられました。 同時に行われた電磁波観測の結果と合わせ、

  • [1]謎に包まれた宇宙最大規模の爆発的天体現象であるガンバ線バーストの動力源
  • [2] 金やウランなどの重元素の起源
  • [3] 地上実験では達しえない高密度状態にある中性子星の物理
  • に関する情報がもたらされました。

    このように、重力波の直接検出は、ガリレオ・ガリレイによる月の観察によって電磁波による天文学が拓かれ、さまざまな宇宙の謎が解かれてきたことに匹敵する意義を秘めているといえます。すなわち、私たちは宇宙を見る新しい「目(観測手段)」を手に入れ、重力波によって宇宙を調べる新しい天文学である「重力波天文学」の開拓への第一歩を踏み出したのです。このセミナーでは、特に連星中性子星合体イベントGW170817における重力波(および電磁波)の観測とその成果について解説したのち、それらがもたらした意義と重力波観測の将来の可能性について紹介します。

    連星中性子星合体における放出物質の電子モル分率分布。赤い部分は中性子過剰度が高く、青い部分は低い。

    • 量子物理学・ナノサイエンス先端研究センター 主催
    • 東京工業大学理学院・物理学系、「ナノサイエンスを拓く量子物理学拠点」共催

    更新日:2018.10.16

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