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与えられた量子純粋状態と対称性演算子とを用いて、トポロシカル相を特徴づける多体のトポロジカル数(“秩序変数”)を構成する方法について解説する。多体のトポロジカル数は、相互作用、あるいはdisorderの存在下においても有効であり、数値計算などにおいて応用が期待できる。本セミナーでは、フェルミオンのshort range entangled(SRE)な(つまり、基底状態に縮退が存在しない)トポロジカル相に限る。
トポロジカル相は局所演算子による検出は不可能であるが、非局所演算子の導入や背景場の大域的な構造を工夫することにより検出できる場合がある。その際に位相的場の理論が有効な出発点となる。経路積分の立場では、適切な背景場Aと時空多様体M上の位相的場の理論の分配関数Z(M,A)が多体のトポロジカル数である。これを演算子形式に翻訳することにより、量子純粋状態と非局所演算子によって構成された多体のトポロジカル数を得る。
本セミナーでは、多体のトポロジカル数の構成とその計算例について、いくつかの重要な例について紹介する。また、時間反転対称性など反ユニタリな対称性を扱う際に“フェルミオンの部分転置”の導入が必要なのでこれを解説する。具体的には以下の多体のトポロジカル数を扱う予定である。
更新日:2017.04.10