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フェルミオン・トポロジカル相を特徴づける多体のトポロジカル数について

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日程
2017年4月17日(月)
時間
15:00 - 17:00
場所
大岡山キャンパス別窓 本館2階 H284A 物理学系輪講室
講師
塩崎謙氏 (理化学研究所)
お問い合わせ先
連絡教員:物理学系 横山毅人(内線2695)

量子物理学・ナノサイエンス第180回セミナー

概要

与えられた量子純粋状態と対称性演算子とを用いて、トポロシカル相を特徴づける多体のトポロジカル数(“秩序変数”)を構成する方法について解説する。多体のトポロジカル数は、相互作用、あるいはdisorderの存在下においても有効であり、数値計算などにおいて応用が期待できる。本セミナーでは、フェルミオンのshort range entangled(SRE)な(つまり、基底状態に縮退が存在しない)トポロジカル相に限る。

トポロジカル相は局所演算子による検出は不可能であるが、非局所演算子の導入や背景場の大域的な構造を工夫することにより検出できる場合がある。その際に位相的場の理論が有効な出発点となる。経路積分の立場では、適切な背景場Aと時空多様体M上の位相的場の理論の分配関数Z(M,A)が多体のトポロジカル数である。これを演算子形式に翻訳することにより、量子純粋状態と非局所演算子によって構成された多体のトポロジカル数を得る。

本セミナーでは、多体のトポロジカル数の構成とその計算例について、いくつかの重要な例について紹介する。また、時間反転対称性など反ユニタリな対称性を扱う際に“フェルミオンの部分転置”の導入が必要なのでこれを解説する。具体的には以下の多体のトポロジカル数を扱う予定である。

  • 1次元超伝導体のZ2数
  • 鏡映/時間反転対称性のある1次元超伝導体のZ8数
  • 回転対称性のある2次元トポロジカル相と部分的回転操作
  • 奇パリティ3次元トポロジカル超伝導体のZ16数
  • 2次元トポロジカル絶縁体のZ2数
  • 3次元トポロジカル絶縁体のZ2数
  • [1] KS, Shinsei Ryu, arXiv:1607.06504
  • [2] Hassan Shapourian, KS, Shinsei Ryu, arXiv:1607.03896.
  • [3] KS, Hassan Shapourian, Shinsei Ryu, arXiv:1609.05970.
  • ナノサイエンス・量子物理学国際研究センター 主催
  • 東京工業大学理学院・物理学系、「ナノサイエンスを拓く量子物理学拠点」共催

更新日:2017.04.10

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