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シェイクスピアの歴史劇は日本ではなじみが薄く、なかでも『ヘンリー五世』はほとんど上演されたことがありません。しかし、本国イギリスでは人気の高い演目で、ヘンリー五世は類まれなるリーダーシップを発揮して逆境を乗り切った国王の鑑として、ひろく知られています。第二次世界大戦中には、戦意昂揚のためにローレンス・オリヴィエが監督・主演を務めた映画も撮られました。
しかし、シェイクスピアは、ただ愛国心をかきたてるだけの戯曲を書いたわけでもありません。2003年、当時のイギリスのブレア首相がイラク進攻に踏み切ったとき、ロンドンのナショナル・シアターが舞台にかけたのは『ヘンリー五世』でした。はたして戦争に大義があるのかどうか、観客といっしょに検証してみようというのが芸術監督の意図だったのでしょう。
このように多様な解釈を許す魅力的な戯曲が、5月から初台の新国立劇場で上演されます。東工大リベラルアーツ研究教育院は、2年前の『ヘンリー四世』二部作の際のシンポジウムと同様に、作品の見どころや演出の意図などを、学内でざっくばらんに論じ合う機会を設けることにしました。パネリストとしてお招きするのは、シェイクスピア劇の魅力を明晰に語ることにかけては定評のある武蔵大学准教授の北村紗衣氏、『ヘンリー五世』に出演中の俳優の下総源太朗氏、新国立劇場での歴史劇の上演に長く関わってきた制作者の三崎力氏のお三方です。司会は、『ヘンリー五世』公式サイトにコラムを寄稿している本学の小泉勇人准教授が務めます。ぜひご来聴ください!
リベラルアーツ研究教育院 文系教養事務
E-mail:ilasym@ila.titech.ac.jp
TEL:03-5734-7689(平日 9:30 - 16:00)
主催:リベラルアーツ研究教育院
更新日:2018.05.02