数理・計算科学系 News

新任教員の紹介 [暗号,符号理論]

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2022.05.19

この記事では2021年10月に数理・計算科学系に着任された安永憲司准教授にフォーカスします。

【研究内容】
暗号理論や符号理論と呼ばれる分野の研究を行っています。暗号技術は、一見できそうにないようなことを実現してしまう技術です。通信内容がすべて盗聴されてしまうときでも秘密の通信ができたり、秘密の情報をもっていることをその情報を漏らさずに納得させることができます。符号理論は誤り訂正符号と呼ばれる技術を扱っており、通信時のエラーを訂正する仕組みです。私はそれぞれの技術の基礎的な部分に興味をもって研究に取り組んでいます。どのような仕組みで暗号技術は実現されているのか、そしてその限界は本当に限界なのか、最も性能の良い誤り訂正符号はどのようにつくればよいか、など考えています。

【最新の研究トピック】
暗号技術の安全性レベルを定量的に評価する手法について研究しています。多くの暗号技術は計算量的な仮定のもとで成り立っていて、素因数分解が難しいなら安全、離散対数問題が難しいなら安全、といった議論をしています。このような計算量的な難しさを(厳密に数学的に)証明することは現時点では難しいので、それを数学的な仮定として議論を進めるのですが、実用の場面ではどの程度難しいかを推定して鍵の長さを決める必要があります。推定した困難性と安全性レベルとの関係をどのように捉えるべきかについて理論的考察が十分ではなかったんですが、定量的な関係性を明らかにする理論的枠組を最近提案しました。この枠組の妥当性やさらなる発展の可能性について探っていきたいと思っています。

【学生へのメッセージ】
研究活動は自分が疑問に思ったことを明らかにしていく過程です。世の中には皆さんが想像するよりも多くの未解決の問題があり、粘り強く考えることで解ける問題が結構あります。せっかくですのでやってみましょう。

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