数理・計算科学系 News

新任教員の紹介 [応用確率論,オペレーションズ・リサーチ]

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2020.05.19

この記事では2020年4月1日に数理・計算科学系に着任された矢島萌子助教にフォーカスします。

【研究分野】
専門は応用確率論、オペレーションズ・リサーチです。身のまわりに存在する不確実な現象を、数学的に記述する数理モデルを解析して、その数理的構造を明らかにする研究を行っています。数理モデルを解析して、性質や特性量を数式として表すことで、不確実な現象の中にある規則性を把握していきます。この解析結果は、システムの性能評価やシステム設計のためのパラメータを提供に役立ちます。

【研究内容】
混雑現象を数理モデルを用いて解析するための理論である「待ち行列理論」の研究に取り組んでいます。待ち行列理論では、資源に対する利用要求を抽象化した数理モデルである「待ち行列モデル」を用います。上の絵は、待ち行列モデルのイメージ図です。待ち行列モデルで表される身近な例として、銀行のATM・コールセンター・コンピュータなどが挙げられます。
特に最近は、無限サーバ待ち行列と呼ばれる、無数のサーバ(サービスを提供する機能)をもつ待ち行列モデルについて、興味をもっています。無数のサービス機能が実際に存在する状況は想像するのが難しいため、無限サーバ待ち行列は利用できる場面は少ないのではないかと思われがちです。ところが、無限サーバ待ち行列は、大規模施設の混雑現象のモデル化・有限サーバ待ち行列の近似・ソフトウェア信頼性評価など、意外にもさまざまな場面で用いることができます。

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