情報工学系 News

酵素-DNA複合体ネットワークによる3種マイクロRNAの同時検出

乳がん早期診断の実現に向けて

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2023.07.05

群馬大学 大学院理工学府 分子科学部門 神谷厚輝助教、同 大学院理工学府 物質・生命理工学教育プログラム 博士前期課程2年 豆生田葵衣、東京工業大学 情報理工学院 情報工学系 瀧ノ上正浩教授らは、配列特異性の高いDNA分子を結合した酵素の可逆的な近接と分離の制御システムを構築し、乳がんの罹患で体内発現量が増加する3種のマイクロRNA[用語1]配列の共在を検出することに成功しました。本システムはがん早期診断への応用が期待されます。この成果は、2023年6月27日に米国化学会誌のAnalytical Chemistryに掲載され、掲載号のSupplementary Coverに選出されました。

細胞内は生体分子が密集しており、この混雑環境がエネルギー合成や代謝などの連続した酵素反応を効率よく進めるために重要な役割を果たします。本研究では、効率的な反応を実現した細胞内環境を模倣するために、DNAを介して酵素を近接させた酵素-DNA複合体ネットワークを構築しました。この複合体は、相補鎖RNAやRNA分解酵素などの添加で近接と分離を制御でき、さらには近接・分離に応じた酵素反応の制御が可能になりました。また、この酵素-DNA複合体を利用して、がんなどの腫瘍細胞で発現がみられるマイクロRNA(miRNA)と呼ばれる短い核酸のなかで、乳がん患者が特異的にもつ3種類のmiRNAを同時に検出しました。

用語説明

[用語1] マイクロRNA : 生体内でタンパク質翻訳遺伝子の調整を担う20-25塩基程度の短いRNA一本鎖。


詳しくは、下記東工大ニュースをご覧ください。

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