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東工大の学生が開発したAIシステムで源氏絵の流派を判定

深層学習アルゴリズムを用いることで96パーセントの分類精度を達成

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2018.06.22

 加藤拓也君が卒論で開発した「深層学習を用いた源氏絵流派識別システム」(第32回人工知能学会全国大会で発表)が産経新聞【びっくりサイエンス】(2018年6月16日付)に紹介されました。
 東京工業大学小長谷明彦研究室(知能情報)では恵泉女学園大学稲本万里子研究室(美術史)と「幻の源氏物語絵巻」の絵師の流派推定に関する共同研究を推進しています。江戸前期に描かれた「幻の源氏物語絵巻」は場面数が多く、かつ、絵巻が海外に離散していることで知られていますが、絵師の流派については土佐派、狩野派、町絵師と様々な見解がなされており、美術史の専門家の間でも決着がついていません。この問題を解決するために最新のAI技術である深層学習システムを用いた源氏絵流派判定システムを開発しました。
 500枚の顔画像で学習したところ96パーセントの精度で流派を推定できるようになりました。源氏絵の貴族は「引目鉤鼻」という独特の表現で描かれていますが、開発した流派推定AIシステムは「耳」に注目していることがわかりました。

賢木断簡韻塞ぎ顔_1.jpg

賢木断簡韻塞ぎ顔_1CAM.jpg

AIシステムが認識した「源氏物語絵巻の顔画像と認識部位」。赤い部分を用いて流派を識別。
(画像出典:「幻の源氏物語絵巻断簡」, 賢木, 米メトロポリタン美術館藏)


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