数理・計算科学系 News
この記事では2021年4月1日に数理・計算科学系に着任されたLiu Tianxiang助教にフォーカスします。
【研究内容】
非凸非平滑最適化問題の数値解法、特に一次法(勾配又は劣勾配のみを用いるアルゴリズム)の開発と解析の研究を行っております。機械学習や信号処理などの分野における様々な大規模な最適化問題 (信号回復など)に対して、収束保証付き効率的アルゴリズムの提案を目指しています。すでに、LASSOなどの代表的な最適化モデルに対して高性能なアルゴリズムと収束の加速法は充分に研究されています。一方で、特定の構造を持つ他の一部の応用問題には構造を使用して効率的なアルゴリズムを設計することは興味深く、挑戦的です。
【最近の研究トピック】
非凸非平滑関数 (例えば、凸関数の差、ランク関数)で表される制約付き最適化問題の研究に従事しております。既存の制約付き最適化問題の制約は通常に凸関数又は平滑関数で表されますが、非凸非平滑関数で表される制約付き問題に関する研究は難しく、始まったばかりであります。最近、システム同定における複数の低ランク制約付き最適化問題に対して、pseudo射影に基づく効率的なハイブリッド法を提案しました。今後は、機械学習などにおける多くの最適化問題の特徴を捉えた制約付きのモデルをいくつか構築し、実用化に向けて高い実行可能性の近似最適解を求めるための効率的方法を目指しています。