数理・計算科学系 News

新任教員の紹介 [アルゴリズム理論, 確率的構造と乱択アルゴリズム]

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2021.05.12

この記事では2021年4月1日に数理・計算科学系に着任された白髪丈晴助教にフォーカスします。

【研究内容】
アルゴリズム理論、具体的には確率的構造と乱択アルゴリズムの研究を行っております。確率的な操作(コインを投げて表が出たら〇〇をする、等)を用いたより良いアルゴリズムの設計・またその性能の理論保障を目指しており、巧妙に確率的操作を組み合わせた多くの高性能なアルゴリズムが提案されています。それらは時に驚くほど簡素であり、また並列化や環境変化への高い適応性といった嬉しい性質を併せ持つものあるなど、その興味深い性質について様々な研究が行われています。一方で、確率的操作が微妙に異なるだけで全く異なる挙動を示すもの、見た目の簡素さとは裏腹にその性能保証が非常に困難であるものも多く、複数の興味深い課題をはらんでいます。

【最近の研究トピック】
ネットワーク上をランダムに動き回るエージェント(ランダムウォーク)を用いてネットワークの性質を探ろうとする、「ネットワーク上のランダムウォーク」研究に従事しております。ランダムウォークを用いたアルゴリズムは簡素さ、局所性、並列化の容易さ、耐故障性などが長所であり、ランダムウォークによる「ネットワークが分断されていないかのチェック」、「ネットワークの探索」、「所望の部分構造の検知」などの研究がこれまでに行われております。より具体的には、ウォーカーが「所望の場所に到達するまでにかかる時間」、「ネットワーク全体を訪問しきるまでにかかる時間」などの特徴量解析に基づいたアルゴリズムの性能保証を行っていますが、解析において未解決な部分は意外にも多く、例えば「100人のウォーカーで探索を行えば100倍探索が速くなるか」といった、一見自明そうな疑問が未解決として残っています。

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