経営工学系 News

経営工学系のメンバーに森田裕史准教授が加わりました

  • RSS

2023.04.27

森田先生は令和5年4月に経営工学系に着任しました。一橋大学で経済学の博士号を取得したのち法政大学にご勤務なさっていました。新任に際しての抱負などをご紹介します。

森田裕史准教授

森田裕史准教授
(法政大学経済学部Guidebook 2018より)

まずはご専門を教えてください。

私の専門分野は応用マクロ計量分析です。マクロ経済データを用いて経済変動の原因や金融・財政政策の効果の検証を行っています。マクロ経済学では、国内総生産(GDP)や消費者物価指数、完全失業率などのマクロ経済変数の循環的な変動は様々な経済ショックによって引き起こされると考えられており、私はデータからそれらのショックを正しく抽出して、その波及効果を明らかにする研究に取り組んでいます。さらに、データから得られた実証的事実を再現できる理論モデルを構築し、観察される経済事象を理論的に解釈する分析も行っています。

先生の研究分野で今先生が最も重要な、あるいは面白いと思われているトピックがあったら教えてください。

現在、私が注目して取り組んでいるトピックは情報効果の分析です。情報効果とは、金融・財政政策の変更の背後には政府や中央銀行の経済見通しに関する情報が含まれていて、そのような情報が人々の行動に影響を及ぼす効果を指します。情報効果の枠組みの下では、金融緩和政策や拡張的財政政策の背後には政府や中央銀行のネガティブな経済見通しが存在していて、政策に関する発表を通じてそのような情報が明らかになることで、民間主体が本来想定される景気刺激政策の効果とは真逆の景気縮小的な行動をとると考えられています。情報効果に関する研究は主に米国や欧州で進んでいますが、日本でも情報効果が存在するかどうか、また、どのような経済状況の下で情報効果の影響が大きくなるのかについて明らかにすることは重要であると考えています。

先生の研究室で研究に取り組む学生にどのようなことを期待していますか?

これは学生に対してだけでなく自分自身に対しても言いたいことですが、常に深く考えて、常に手を動かし続けるようにして下さい。それを途中でやめてしまうと、よいアイデアや研究成果は生まれないと思います。また、特に修士課程以上に進んだ学生には、研究は自分の仕事であるという気概を持って取り組んでもらいたいと思います。

最後に今後の抱負を聞かせてください。

まずは、月並みな回答になりますが、これまでの研究を変わらず地道に継続して成果を上げていきたいです。その上で、素晴らしい先生方や優秀な学生達との研究・教育を通じた相互作用のなかで、新しい研究テーマを発見し、その解明にチャレンジしていきたいと思っています。


5月24日 10:55 関連リンクを追加しました。

  • RSS

ページのトップへ

CLOSE

※ 東工大の教育に関連するWebサイトの構成です。

CLOSE