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圓川隆夫名誉教授が令和5年春の叙勲を受章

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2023.07.10

令和5年(2023年)春の叙勲において、長年に渡る教育研究の功労に対し、圓川隆夫名誉教授が瑞宝中綬章を受章しました。圓川隆夫名誉教授は、1975年東京工業大学助手、1980年助教授、1988年教授となり、2016年定年退任されています。生産管理、品質管理、サプライチェーンマネジメントの分野で経営工学研究を導いてこられました。

圓川隆夫名誉教授 瑞宝中綬章

コメント

圓川隆夫名誉教授

圓川隆夫名誉教授

今回の受章、まず長年励ましをいただいた東工大教職員や研究室の学生の皆さまにお礼を申し上げたい。
実学ともいえる経営工学の分野で学術論文を書くことに当初苦労したが、多くの留学生を抱えていたことから行った研究に、消費者や企業経営のエスノグラフィックな大規模な調査がある。そのひとつが日米独仏の先進4カ国、これに中国、タイ、インドネシア、ボリビアの新興国を対象とした15の製品の顧客満足度と消費者文化の測定・比較である。その結果本来高品質のはずの日本製品を使用している日本の消費者の顧客満足度が何と一番低い、すなわち厳しいことに驚いた。これは日本の消費者が"モノ"や"時間"に対する不確実性回避傾向が著しく高いことに起因し、工業化社会では、"厳しい消費者が日本の品質を鍛えた"という好循環がうまく機能した。しかし21世紀になり、消費者の視点が"モノ"から"コト"に移行し高品質=高顧客価値が成立しなくなってくると、過度の正確さ・清潔さ・新鮮さを追い求めるガラパゴス化に陥り、今や"安い日本"である。
失われた30年から脱するには、今こそ"コト"の顧客価値創造に優れた人材の育成が喫緊に求められているのではないか。

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