経営工学系 News

東工大チームがグローバル金融大会の日本大会で2度目の優勝

『CFA協会リサーチ・チャレンジ(CFA Institute Research Challenge)2022-2023』日本大会

  • RSS

2023.03.02

12月3日、東京工業大学の学生が『CFA協会リサーチ・チャレンジ(CFA Institute Research Challenge)2022-2023』の日本大会決勝で優勝しました。
この大会は、大学生・大学院生による企業分析および株式評価を競う国内唯一のグローバル金融大会です。企業ファイナンス理論を生かして企業分析を行い、その調査・分析内容の優劣を競うこのグローバル金融大会の参加者は、実際に企業分析を行うアナリストや、投資判断を行う株式ファンドマネージャーの指導を受けながら、金融の将来を担う世界の学生たちの頂点を目指します。

CFAとは米国の証券アナリスト資格

指導教官とメンターと記念撮影するチーム(左から 永田准教授、クライウッティアナントさん、松澤氏、ヨサンディさん、反田さん、佐藤さん)

指導教官とメンターと記念撮影するチーム
(左から 永田准教授、クライウッティアナントさん、松澤氏、ヨサンディさん、反田さん、佐藤さん)

優勝盾を手にする東工大チーム(左から クライウッティアナントさん、反田さん、 ヨサンディさん、佐藤さん)

優勝盾を手にする東工大チーム(左から クライウッティアナントさん、反田さん、 ヨサンディさん、佐藤さん)

本大会に参加した大学の26チームは、ダイキン工業株式会社(以下「ダイキン」)を分析対象として英語で分析レポートを提出し、書類審査の結果上位8チームが日本大会決勝にて英語によるプレゼンテーションと質疑応答を行いました。
工学院 経営工学系の永田京子准教授を指導教官に、アセットマネジメントOne株式会社の松澤幹樹氏をメンターにした東工大チームは書類審査において1位、プレゼンテーションとその質疑応答においても高い評価を受け、総合的に優勝しました。2013年度大会に次いで2度目の国内優勝となりました。

同チームは3月に開催されるアジア太平洋小地区大会に日本代表として進出し、その後4月に開催されるアジア太平洋地区大会と世界大会を目指した戦いが続きます。

東京工業大学チームメンバー(工学院 経営工学系)

  • 反田颯さん(修士課程1年 永田研究室)
  • 佐藤巧さん(修士課程1年 松井研究室)
  • ヤセル・アプリリアーノ・ヨサンディさん(修士課程2年 永田研究室)
  • オルニダ・クライウッティアナントさん(修士課程2年 鈴木研究室)

優勝チームメンバーのコメント

反田颯さん

ダイキン株に対して、BUY/SELL/HOLD(買い/売り/保有)の内どの投資判断を下すべきかという答えの無い問いが本大会のテーマです。ここで大事なポイントは、チームのストーリーを創造的に描き、そのストーリーと資本市場が抱いているストーリーを比較し、なぜ自分たちが算出した株価が正しいのか、すなわちなぜ資本市場は誤解をし、理論株価と現在株価の乖離が存在するのかを、いかにロジカルにそしてシンプルに表現できるかに集約されます。この難題に対し、私たちは「多様性」という強みを活かす事で、優勝を実現しました。国籍やスキルセットが分散されている中で、互いがそれぞれの強みを活かし、また互いを尊重しあい、協働しながらワークを進めました。加えて永田先生・松澤メンター・その他教職員の方々のご協力なくしてこの優勝は成し得ませんでした。改めて感謝の気持ちを表したいと思います。次は日本勢初のアジア大会覇者となるため、また精進していきたいと思います。

佐藤巧さん

この度は名誉ある大会で優勝することができ、大変嬉しいです。チームメンバー、永田先生、アセットマネジメントOne株式会社の松澤メンターをはじめ、関わってくださった多くの方々の協力なくして優勝はなかったと思います。大変感謝しております。また、このような大会を開催してくださった日本CFA協会にも感謝しております。本大会を通して、投資判断の難しさ、そして奥深さを学ぶことができました。将来の株価を予測するには、まだ誰も知ることのない将来の市場、経済、政治等に関して予測する必要があります。その予測のために、企業データ、市場データをはじめ多くのデータを収集し分析を行いました。この過程は非常に大変でしたが、同時に大きな学びになりました。改めてこの大会に携わってくださったすべての皆様に感謝申し上げます。

ヤセル・アプリリアーノ・ヨサンディさん

私たちのキャンパスを代表して、栄誉あるCFA Research Challenge 2022-2023の全国優勝者として表彰されたことは、とても光栄なことです。このような機会、サポート、アドバイスをくださった永田教授、松澤メンター、そしてこの4ヵ月間、研究に励んだ協調性と自発性を持ったチームメンバーに感謝しています。また、途中で出会った多くの人々からも、洞察を得ることができました。
COVID-19からコンペティションのフレームワークが改訂され、株式レポートにおいてESGが主要な考慮事項となったため、対象企業の価値に与える短期・長期の影響について深く考え、調査を行うことに挑戦しました。研究室で培った知識を応用し、業界のエキスパートであり尊敬する審査員から直接学ぶことができました。
私たちのチームの強みとして特筆したいのは、その多様性です。私は、アジア太平洋地域のラウンドに新鮮な視点をもたらし、2023年に次のレベルがどのようなものかを確認することを楽しみにしています。

オルニダ・クライウッティアナントさん

CFA Research Challenge 2022-2023(以下、CFAIRC)では、経験したことのない金融の世界を味わうことができました。私たちはダイキン工業の株式を買い/売り/保有の推奨をすることが求められました。そのため、事業概要、概要業界、競争力、需給要因、財務分析、バリュエーション、ESGなど、企業のあらゆる側面が必然的に考慮されることになります。このコンペティションでは、作業量と時間が大きな制約となるため、4カ月間、コンスタントにミーティングやディスカッション、修正セッションを行えるよう、私たちは綿密にタイムテーブルを組みました。確かにこのコンテストは大変でしたが、ビジネス・ファイナンス分析の実践や金融セクターのプロのメンターとの相談など、記憶に残る貴重な体験をすることができました。
大会当日は、10分間のプレゼンテーションと10分間の質疑応答が行われました。参加チームは8チーム、メンターやリクルーター、専門家も多く、まさに金融のエキスパートが集結した大会でした。個人的には、このイベントと金融関係者の同窓会は似ていて、同世代の学生と出会い、企業の常務取締役やCレベルの役員と話すことができる素晴らしい機会でした。さらに、CFAIRCの主催者は、大会中・大会後も常に連絡を取り合っています。そして、優勝者として、次のラウンドに備えるためのトレーニングセッションを提供してくれるのです。次のステージでは、金融分野をより深く掘り下げ、世界中のフェローに会うことができると思うと、わくわくしてきます。

工学院

工学院 ―新たな産業と文明を拓く学問―
2016年4月に新たに発足した工学院について紹介します。

工学院別窓

学院・系及びリベラルアーツ研究教育院別窓

お問い合わせ先

総務部 広報課

Email media@jim.titech.ac.jp

  • RSS

ページのトップへ

CLOSE

※ 東工大の教育に関連するWebサイトの構成です。

CLOSE