経営工学系 News
顧先生は平成24年4月から、ここ東京工業大学経営工学系の助教としてお勤めでしたが、令和2年4月に准教授に昇任されました。ここでは、これからの抱負などをご紹介します。
まずはご専門を教えてください。
複合分野ということもあり、分野を特定することは難しい領域になります。
これまでの研究においては、人間工学、品質管理(主に医療サービスの質)、オペレーションズ・マネジメント、マーケティング等の経営工学に関連したテーマを取り組んできました。これらは、更にその適用分野により大きく三つに分類されます:①医療マネジメント、②高齢少子化社会に抱える健康管理や雇用問題、③オンラインショッピングやSNSに関連する研究です。特に、人間工学における最も重要なテーマの一つ「組織に対するリスク・マネジメント」に注目し、大きな社会問題となっている医療安全の問題について主として取り組んでいます。また、安全のみでなく、医療の質、医療組織のオペレーションなど、全体的な医療マネジメントの研究へと、その幅を広げて内容的にも深化を図っています。
東工大の学生はどうですか?
真面目、賢い、恥ずかしがり屋(笑)。
では、先生の研究室で研究に取り組む学生にはどのようなことを期待していますか?
私を含め、研究を楽しむことはすごく大事です。そして、自分の研究成果が社会に役立っていることを実感することは、自己実現として満足感にもつながります。
そのためのステップとして、まず学生自身が好奇心・興味を特定することで研究問題を発見することが重要です。次に研究過程において、必要な思考力や問題解決能力などのスキルを身に着けます。これは研究者の道に進む場合、企業へ就職する場合、いずれにおいても学生自身に役立つものです。
最後に、社会人となるにあたってなにより最も重要な点である「誠実で前向きに、責任感を持ち、夢を持ってチャレンジできる」人材になれるよう、学生との日々の取組みやり取りにおいて私も一緒に頑張りたいと思います。
最後に今後の抱負を聞かせてください。
私自身、今後もより幅広い経営工学分野に取り組み、医療機関や企業との研究協力および国際共同研究を通じて一層力を入れていきたいと思っています。影響力が高い国際誌に投稿し、研究成果が社会に役立つように広く発信していきます。
教育においては、私の研究の核である人間工学として、私は常に「人間」に注目していきます。すなわち、「学生が何を考えているのか、どうやっているのか」、「私に何を望んでいるのか」を考えながら学生に向き合うようにします。
また、私自身が外国人である点を強みとし、多国籍の教授や学生と話す数多くの機会を活用しながら、日本における大学教育の長所と短所、そして日本人学生の世界的競争力をどのように向上させていくかと言う点について、積極的に考え、発信していきたいと思います。
※11月12日 9:50 関連リンクを追加しました。