経営工学系 News
経営工学系のCHEN YING助教、木村遥介准教授、井上光太郎教授の共同研究が、京都大学経営管理大学院の企業金融と資本市場(みずほ証券)寄附講座より「企業金融研究奨励賞 最優秀賞」を受賞しました。

企業金融と資本市場(みずほ証券)寄附講座は、2005年度に京都大学経営管理大学院に設立された寄附講座であり、同大学において最も長い歴史を有する寄附講座の一つです。金融・資本市場の健全な発展を見据え、企業金融に関する高度な研究の推進とその実務への応用、人材育成を目的としています。経済学および経営学の視点から、日本における企業金融の制度的・行動的特質を理論的・体系的に考察するとともに、理論と実務の双方を重視した研究・教育活動を展開しています。本賞は、このような趣旨のもと、企業金融および資本市場に関する優れた学術研究に対して授与されるものです。

本研究は、行動ファイナンスの視点から、経営者の自己奉仕バイアス(Self-serving Attribution Bias: SAB)が企業の意思決定や投資行動に与える影響について実証的に分析したものです。自己奉仕バイアスとは、企業の好業績を自らの能力や努力によるものと捉える一方で、業績の悪化については外部環境などの要因に帰属させるという心理的傾向を指します。本研究では、このような主観的バイアスを定量的に把握するため、自然言語処理(Natural Language Processing: NLP)およびテキストマイニングなどのAI技術を活用し、企業開示文書(有価証券報告書・決算説明会)における経営者の言語表現を分析しました。これにより、従来は定量的な測定が困難であった経営者の自信過剰を実証的に捉える新たな分析手法を提示するとともに、経営者の行動バイアスが買収行動に及ぼす影響という行動ファイナンスにおける重要な研究課題に対して新しい実証的知見を提供しました。このように、AIを活用した革新的な方法論によって重要な企業金融の問題に取り組んだ点が高く評価され、本研究は「最優秀賞」を受賞しました。