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鈴木賢治教授(ライフエンジニアリングコース 主担当)が、科学技術に関する研究開発、理解増進等において顕著な成果を収めたとして、令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 科学技術賞(研究部門)を受賞しました。
文部科学省が4月6日、発表しました。表彰式は4月14日、文部科学省(東京都千代田区)で行われました。
科学技術賞(研究部門)は、科学技術の発展等に寄与する可能性の高い、独創的な研究又は開発を行った者が対象です。令和3年度は45件(57名)が受賞しました。
東京工業大学の令和3年度科学技術分野の文部科学大臣表彰受賞者については、東工大ニュースをご覧ください。
近年、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる人工知能(AI)が革新的な技術として世界的に注目され、様々な分野に目覚ましい進歩をもたらしています。私どもは、1994年に初期の深層学習モデルの一種を先駆的に発明して以来、本モデルを改良し続け、深層学習の主要な技術開発と医療AIでの実用化に貢献して参りました。私どもが先駆的に開発した、深層学習によるノイズ除去、X線像の骨成分除去、セマンティックセグメンテーション、エンドツーエンド学習、CTとマンモグラフィの被曝線量低減は、現在盛んに研究されている重要なAI領域になっています。また、我々独自の深層学習モデルは、少数の症例で学習可能という優れた特長を持ち、大量の学習用画像データ(5千~10万例)が必須であるという現在の深層学習の最大のボトルネックの1つを克服しました。本技術は、大量の症例が収集できない医療AI分野の実用化の道を開き、世界各国での医療AIの社会実装に寄与することが期待されています。更に、本研究で開発された技術は汎用性の高いAI基盤技術であるため、今後様々な分野での応用と貢献が期待されます。最後に、本研究を支えて下さった研究室の皆様と共同研究者の皆様に深く感謝いたします。