未来

創り出す喜びと、道を極める覚悟

株式会社KDDI研究所
次世代通信アーキテクチャーグループ 研究主査

栗原 淳 さん

栗原 淳さん

現在の仕事について教えてください。
通信事業者の研究所で、次世代の通信・ネットワーク技術やセキュリティに関する研究開発を行っています。学生時代は通信の信頼性向上手法の研究をしていましたが、今は数学的な基礎理論を掘り下げながら通信の様々な分野へ応用することで新しい通信技術を創り出すことが仕事です。人を「おっ」と言わせるような結果はなかなか出せないトライアンドエラーの日々ですが、実際に自分が携わった物がサービスなどの形で世に出て人に使って頂いたときには格別の喜びを感じます。
東工大での経験や学びは、いまの仕事にどう活きていますか?
学生時代に研究室で学んだことは今でも忘れません。研究職に従事する中、様々な要因から苦しくて苦しくて研究をやめたいと思うことや、楽な道に逃げて見た目だけ取り繕ってしまおうと思うこともありました。その度に、指導していただいた先生の「研究は楽しい」そして「研究するならば極道であれ」という言葉が思い出されます。そして、未知のものを見つけ出す・創り出す喜びや、道を極めるという覚悟を思い返し、自分を奮い立たせています。東工大で身を持って学んだこの教えは、今の私の仕事を支える根幹になっていると思います。
今後の目標を教えてください。
パラダイムシフトを起こすような新しい通信・ネットワーク技術を創り出し、そしてそれを世の中に送り出して皆さんに使っていただくことが、ずっと私の目標です。残念ながらまだそんなインパクトのある仕事は成せていませんが、今後もその目標は変えず技術の発展に貢献していくつもりです。
最後に、東工大を目指す人に一言お願いします。
修士課程を修了してから10年経ってなお研究職として情報通信技術に深く携わっているとは、当時は思いもよりませんでした。この10年を振り返ると、東工大で苦しくも楽しく学んだことが私の大きな基盤となっていることを実感します。先生方や仲間達から多くを学び、そして研究に悩み、苦しみ、楽しんで、皆さんの未来のための礎を築いてください。

くりはら・じゅん(茨城県出身)

1999年
東京工業大学 第5類 入学
2004年
東京工業大学 工学部情報工学科 卒業
2006年
東京工業大学 大学院理工学研究科集積システム専攻 修士課程修了
2006年
KDDI株式会社 入社、株式会社KDDI研究所 出向(現在まで)
2009年
東京工業大学 大学院理工学研究科集積システム専攻 博士後期課程入学
2012年
東京工業大学 大学院理工学研究科集積システム専攻 博士後期課程修了
博士(工学)学位取得
2013年
Palo Alto Research Center 滞在研究員 着任(2014年まで)

※記事の内容は取材当時のものです

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